Big Phillのダンス哲学

ダンスの本質を100年先までに伝える定義の再構築

ダンサーが社会不適合になってしまう最大の理由

ども、年齢による肉体の衰退を止められないビッグフィルです。
しかしなんという事でしょう。

しっかりゆっくり体を作って行きながら練習をすると、
なんと、肉体の進化が止まらないではないか。

また、しっかりコンスタンスに練習をすると
ちゃんと肉体もついてくるようになる、

当たり前な事だが、
忘れがちな事でもある。

ただ、30代に入り、仕事に専念し、
コロナもあって練習から離れてみて分かった事がある。

こんな事があったのなら
そりゃあダンサーが社会不適合者になっても仕方ないと、
すんなり思ってしまった次第である。

それは「肉体疲労による脳機能の低下」である。



人間の脳の受け皿は3つまで
とされている。
同時に処理できる事が3つまでという事だ。

ブレイクの練習にありがちな後遺症、
筋肉痛、ケガ、疲労この時点で3つ埋まっている事になる。

この時点で脳機能は実はもう正常に機能していない

パソコンでいうアプリやソフトを起動しまくってキャパがなく、
クリック一つで画面がフリーズする状態をイメージすると分かりやすいだろう。

ここにもし徹夜とか、深夜練といった夜型生活が入ると、
状況はなおさら最悪である。

まず、成長ホルモンが最も分泌される夜10時から深夜2時までの間で睡眠が取れない事で筋肉が戻らないし育たない。

さらに夜型になると体内時計が狂い、
身体のバイオリズムが狂う

そうなるとまずダメージを受けるのは「消化器官」だ。
特に腸は「第二の脳」と呼ばれている。

腸が不調になるだけでも感情の起伏に大きな影響を与える。
さらに食事をとっても上手く栄養が吸収されない。

せっかくタンパク質を摂取しても筋肉に吸収されない。
そりゃあ筋肉痛も疲労も解消されないし、
怪我も治らない。

そんな状態で会社に出て仕事をした所で、
いい仕事ができるはずもない。

仮に仕事ではアドレナリンで乗り越えられたとしても、
仕事の後はその反動で全ての身体機能が低下する。

それで帰宅後に恋人や家族にサービスなど出来るはずがなく、
人によってはケンカばかりになってしまうのも当然である。

これはよく言われる「脳筋」とは違う。
脳筋はと「筋肉が全てを解決する」とか「努力や気合でなんとでもなる」と思っている人種の事である。

これは単なる不健康であり、
それを根性ややる気、気合などで乗り越えるかしないかで努力レベルの計りとしていた時期が過去のダンスシーンにはあった。

今の子たちには恐らくこういう事はもうないと思うし、
あってほしくないとも思っている

勿論社会不適合になってしまうのには
個性ファーストと言ったマインドの問題もあったと思うが、

そこから抜け出すのに必要な思考力は実はすでに奪われていたのだから、
そうなってしまうのは本当に当たり前といえば当たり前である。


ここでは社会不適合と言っているけど、
実は単に結果を出せる人間とそうでない人間、

もしくは成功をする人間とそうでない人間の違いは
実は才能や頭脳の良さよりも

「健康」が最も人生の全てを左右していたのかもしれない。

過去を振り返ってふとこんな事が頭をよぎる39歳の初夏である。