Big Phillのダンス哲学

ダンスの本質を100年先までに伝える定義の再構築

自由が存在する為の絶対条件

こんにちわ、フィリップです。

凄い昔の話ですが、あるインストラクターが生徒に対し

「自由に踊ってください」と指示を出しました。

 

すると多くの生徒が自由に踊るとは?

というのを模索する中、一人だけ違った事をする生徒がいました。

 

その生徒はその日に習った振付を踊り始めたのです。

するとインストラクターは「自由に踊るように」と指摘をしました。

 

この時、私は思いました。

 

今この瞬間、このインストラクターは

この生徒から「振付で踊る自由を奪ったのだ」...と。

 

このインストラクターは本当は「アドリブ」を教えたかったのと、

同時に「個性」を持たせたかったのです。

 

しかし、

 

即興性を磨くには動きの選択肢を予めにデータとして持っている事が必要であり、

ダンスに個性を持たせるには感性を磨く必要があります。

 

なので、そのどちらを養うのにも別のレッスンが必要だったのですが、

この時のインストラクターはそれに気づいていませんでした。

 

「好きに踊ってよい」と言っているのにも関わらず「やってはいけない事がある」

この事が生徒を困惑させてしまったのです。

 

 

●自由が存在する絶対条件

 

自由というのはまず不自由の中でしか存在しません

自由が存在するのにまず「ルール(縛り)」が必要なのです。

 

例えば、真っ白な何もない空間で何をしてもよいと言われても

何もできません。何もない空間なので

 

歩く事も

息を吸う事も

空を飛ぶ事も

目を閉じる事も

 

出来ません。

 

 

え?目を閉じれない?

はい、そうです、貴方自身すらも存在しないのですから。

 

貴方が何かをするにはまず「肉体」という「縛り(ルール)」が必要です。

目があって初めて物を見る事が出来、

手があって初めて物を握る事が出来ます。

 

歩くには地面と引力があって初めて歩けます。

息を吸うには空気があって初めて吸えます。

空を飛ぶには空があって初めて飛べます。

目を閉じるにも瞼があって初めて閉じれます。

 

 

お分かり頂けますでしょうか?

自由が存在する絶対条件、それは縛りであり、

つまり「不自由」の中でなければ自由は存在できないのです。

 

 

●ダンスにおける自由

 

我々は引力のある地球の上で、

音楽という芸術に従いながら、

自らの肉体を媒体にして、

 

自分の脳内のあるイメージを表に現し、

その表現を形作る事を「創造(クリエイト)」といい、

 

そのクリエイトした創作物を「芸術(アート)」といいます。

 

現代音楽においては曲のノリ(GROOVE)によってジャンルが定義され、

それぞれのジャンルの音楽に最適化したダンスが、そのままダンスのジャンルとなります。

 

それぞれのジャンルにはそれぞれ基本ステップが存在します。

 

このように少しずつ少しずつ、縛り(ルール)が増え、

人はこのルールを窮屈に感じる事があります。

 

そして自由を求め、新しい形を探し、

それを自由だと考え、ルールから解放をされる事に対し喜びを感じます。

 

しかし、本質は実はその逆なのです。

 

自ら不自由を選べる人こそが最大の自由を得られます。

何故ならその者の中から不自由が存在しなくなるからです。

 

自由において、最も最高純度の自由とは

「不自由を自らの意志で選べる事」なのです。

 

最初にお話しさせて頂いた振付を踊った生徒を見て、

私は率直にそう感じたのです。

 

何をやってもいいと言われる中で

わざわざ不自由を選ぶ人はいるだろうか?

 

いや、いない!

 

何故いないのか?

出来ないからだろうか?

 

いや、そうではない。

ただただ単純にその発想が浮かばなかった、

それだけなのです。

 

「不自由を選ぶ自由」が存在する事を、

果してどれだけの人が気づく事が出来た事でしょうか?

 

その生徒さんを見て、私は多くの事に気づく事が出来ました。

 

ルールは鎖ではない、

ルールはレールだったのです。

 

あのレッスンにいた多くの生徒の中で、

なんと滑稽にも一番自由に踊っていたのは

振付を踊っていた生徒だったのです。

 

 

 

....と、そんな感じで、

ひとつのテーマを素粒子レベル以下にまで探求し、

「答えがないのが答え」という哲学の基本に則ったうえで、

 

我々人間は行動を起こす為にそのない答えの中から一つ選んでいる事を、

テーマごとにしっかり言語化していくのがこのブログの主旨となります。

 

なので、あまり現役プレイヤーが読む内容というよりかは、

既にダンスから離れた大人の方か、指導者を目指している方の方が

楽しんで読んで頂ける内容なのでは?思って書いてます。

 

なのでブログの名前が「大人が読むダンスBLOG」なのです。(笑)

 

それでは、今回はここまです。

最後までお読み下さり誠に有難う御座いました!

 

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